BCPとクラウド。BCP策定時に重要となるポイント

クラウドコンピューティングのシステム BCP
この記事は約6分で読めます。

IT化が進んだ現代では、企業や個人を問わずあらゆる業務やサービスがシステム化されています。企業では社員が1台ずつパソコンを持つことが当たり前になり、個人はスマートフォンが普及して誰でも手軽に情報を手に入れることができるようになりました。

「予測できない非常事態の中で、業務を滞らせることなくすみやかに再開する」ことを目的としているBCP対策を成功させるためには、オフィスの被害状況や社員の安否など、「現状を把握できる情報をできるだけ早く集める」体制を構築することが必要になります。

迅速な情報の収集や伝達を行うにあたって、ITの利活用は必要不可欠です。企業や個人がITに当たり前に接するようになった今だからこそ、BCP対策にITを導入する意義があるといえます。

そこで今回は、クラウド化が可能なBCP対策の種類や、BCP対策に有効なクラウドサービスなどについて紹介します。

クラウド化すべき4つのBCP対策

一言でBCP対策といっても、その性質によっていくつかの種類に分けられます。ここでは、クラウドに移行が可能な4つのBCP対策を紹介していきます。

社内データのリスク分散

災害が起きても業務が完全に停止しないよう、自社のデータやシステムを複数拠点に分散し、運用することは重要なリスクヘッジ策になります。どこか一箇所が機能を果たせなくなったとしても、他の拠点が稼動していれば業務を継続することができます。

複数拠点へのデータバックアップ

社内のみにデータを保管していると、被災してデータを喪失してしまった場合に復旧が困難になってしまいます。そのため、BCP対策としてクラウドを利用してバックアップデータを社外に保存しておくのも一考に値します。これにより被災時にクラウド上のバックアップデータを利用することで、重要な情報を失わず、スムーズに事業を再開できます。

アナログ文書の保全

紙で作成した重要書類を社内に保管している場合、情報が失われないようにデータ化して保全することもBCP対策の一環といえるでしょう。スキャンした書類をPDFなどの形式で出力し、フォルダ別に整理して社外のクラウドサービスなどに保管すると非常時でもデータを守ることができます。

災害復旧のプロセス構築

災害復旧のプロセス構築はBCPで最も肝となる部分の1つです。社員の無事を確認し、損害の把握や取引先の状況などの情報を素早く収集した上で、早期復旧に向けた道筋を付けていく必要があります。災害時の判断力だけで達成し得るものではなく、災害が発生する前にBCPを策定、運用することでいざという時の災害復旧を可能とします。

BCP対策とクラウドの高い親和性

BCP対策は、非常時にいかに安全かつ迅速に基幹事業を再開できるかに主眼を置いて策定するものです。一方のクラウドは機器を用意する必要がないため管理コストが極めて低く、堅牢なデータセンターを利用するため常に高いセキュリティが保たれており、災害に強いという特徴があります。

このことから、事業を安全かつ迅速に再開するという観点で、BCPとクラウドは非常に親和性が高いといえます。従来オンプレミスといわれる自前の環境でシステムを運用してきた会社が日本の会社は多いですが、昨今の災害の多さを鑑みるにクラウドの活用はBCP策定時の重要なポイントの1つと言えるでしょう。

クラウドサービスを利用した主なBCP対策

クラウドサービスを使ったBCP対策として、代表的な3つの例をご紹介します。

基幹システムサーバのクラウド化

自社の基幹システムをクラウド化することで、基幹システムのサーバの自社管理からの脱却が可能となります。

企業にとって、顧客情報や受注情報は決して失ってはならない重要なデータです。セキュリティの強固なデータセンターに自社のデータを保管することで、災害対策だけではなく、サイバー攻撃などのリスクを軽減するIT-BCPにもつながります。

クラウド型安否確認システム

非常事態が起こり、社員の安否を確認する必要に迫られた際、安否確認システムは非常に有効です。オフィスが被災する可能性を考慮すると、システムを自社で開発するのではなく外部のクラウドサービスを利用することは利に適っているといえるでしょう。

内閣府が発表した「平成29年度 企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」によると、「被害を受けた際に有効であった取り組み」という質問に対して、全体の26.2%の企業が「安否確認や相互連絡のための電子システム(含む災害用アプリ等)の導入」と回答しています。

また、「被害後も実施している取り組み、及び被害後に新たに実施した取り組み等」の質問に対しては全体の35.0%の企業が「新しく安否確認などのシステムを導入したい」と回答しており、特に大企業では60.7%もの割合にのぼることから、非常時の安否確認システムへのニーズの高さ、そういったシステムの重要性が見て取れます。

データバックアップサービス

クラウドを利用したデータバックアップサービスは、緊急時に素早くデータを復旧する際に役立ちます。オンプレミスで運用している社内のデータをスケジュールを組んで指定した曜日や時刻にバックアップするサービスもあれば、データが更新されると自動的にクラウド上に同期してくれるサービスもあるので、状況に応じて自社に適したものを使い分けると良いでしょう。

セキュリティが強固である、データの転送が高速であるなど、事業者によって特徴は様々です。中には世代管理といって、数世代分のデータをバックアップしておけるサービスもあります。課金形式は最初から特定の容量を契約してその中でデータを保存する方法と、結果的に保存したデータ量に課金する方法の2パターンが多く見られます。

BCP対策でクラウドサービスを選ぶときのポイント

BCP対策を目的としてクラウドサービスを導入する際は、次の2点に注目して選ぶと良いでしょう。

サービスを導入する目的を整理する

自社が何のためにそのサービスを必要としているのか、整理してから導入するサービスを検討することが大切です。

たとえば自社の膨大なデータを毎日のようにバックアップする必要があるにもかかわらず、データの転送速度が遅いと業務に支障が出る可能性がありますy。逆に、1ヶ月に1回社内の少量の紙文書をデータ化してバックアップするのであれば、転送速度はそれほど重要とはいえません。

自社の状況に合ったサービスを選択することで、BCP対策とともに業務の効率化を図ることも可能になります。

誰でも使いやすいサービスを導入する

被災した場合、社内の状況をすぐに確認できない場合もあります。また必ずしも運用責任者がすぐに社員の安否確認やデータの復旧に取りかかることができるとは限りません。担当者が複数人いたとしても、誰もが迷いなく使えるようなサービスを導入することは重要なポイントです。

BCP対策では復旧プロセスのためのマニュアルを作成することも大切ですが、たとえマニュアルがなかったとしても、必要最低限の作業を複数人が滞りなく行えるようなサービスを選ぶと良いでしょう。

まとめ

BCP対策にITを利用する意義や、クラウドとの関係について紹介してきました。BCPとクラウドは非常に親和性が高く、さまざまな事業者が提供しているサービスを上手く活用することで自社のデータを安全に保管し、被災してから復旧までのプロセスをスムーズに進めることができるようになります。

クラウドを利用することは、社内のBCP対策を大きく前へ進めるための一歩となります。ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

補助金セミナー

タイトルとURLをコピーしました