BCP対策にクラウドサービスを利用するメリットとデメリット

クラウドコンピューティング BCP
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ITを利用したBCP対策のひとつとして、クラウドサービスを活用する方法が考えられます。社内のサーバをオンプレミスで運用している企業はまだまだたくさん存在しますが、自社にサーバを置いておくことに対して不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

MM総研が2019年に発表した調査結果によれば、国内のクラウドサービスの市場規模は2018年度に1.9兆円にまで成長しており、中でもオンプレミスで運用している基幹システムをパブリッククラウドへ移行する動きが顕著であると述べられています*。

*参照:2019年国内クラウドサービス需要動向調査 – MM総研

今後もこの流れは続いていくと予測され、2023年度には国内のクラウドサービスの市場規模は4.0兆円を超える見通しです。

出典:2019年国内クラウドサービス需要動向調査 – MM総研

以上のことから、BCP対策もクラウドサービスを用いて検討する企業が増えていくことが予想されます。そこで本記事では、BCP対策にクラウドサービスを利用するメリットとデメリットについてご紹介します。

そもそもなぜBCP対策が必要なの?

クラウドサービスのメリットを紹介する前に、あらためてBCP対策の必要性について確認しておきましょう。

現代では台風や地震などあらゆる災害が想定されるため、システムが停止し企業活動が停滞する危険に常にさらされています。災害によって社員が出社できなくなったり、オフィスそのものが被害を受けて使用できなくなってしまうこともあるでしょう。

特に企業のIT化は年々進んでおり、総務省が発表した平成30年度「情報通信白書」によれば、国内企業のICT(情報通信ネットワークや社内システム、情報通信端末、情報発信環境等)の導入率は70.2%にのぼっています。これらのシステムが停止することは、企業活動に致命的な影響を与える場合もあります。

また、自然災害のみならず、セキュリティ体制の不備によりサイバー攻撃を受け、ネットワーク障害などのトラブルが起こることも考えられるでしょう。悪質な場合であれば、情報漏えいなどのリスクも起こり得ます。

そのため、いつ襲い掛かるとも知れない有事に備えてBCP対策を策定することは非常に大切です。中でもクラウドサービスはBCP対策と相性が良いため、上手に活用することでさまざまなメリットを享受しながら効果的なBCP対策を策定も可能になります。

BCP対策にクラウドサービスを利用するメリット

クラウドサービスを利用することで考えられるメリットは、主に次の3つが挙げられます。

災害時でもデータの保全が可能になる

地震や火災などでオフィスが被害を受けたとしても、社内にサーバを置かない運用によって自社の重要なデータを保全することが可能になります。

サーバを委託するデータセンターの災害対策は厳格な基準で管理されており、地震対策や防火対策など、強固な防災設備が構築されています。自社のオフィスにサーバを保管するよりも高い安全性を保つことができることは、クラウドサービスを利用するメリットといえるでしょう。

データセンターへサーバを委託することには地域的なリスク分散の意味合いもあり、自社とデータセンターの距離が離れているほど、同時に大きな被害を受ける可能性を低減させることにもつながります。

確実なBCP対策とコストダウンを両立できる

BCP対策を自社で1から組み上げるには、膨大なコストと労力を要します。企業がBCP対策で策定しなければならない範囲は非常に幅広く、専門家の助言なくすべてのリスクに完璧に対応することは困難といえるでしょう。

災害対策に限ってみても、データセンターのような免震対策を自社ビルに取り入れる、サーバ室の防火対策を強化するなどの諸対策は、非常に高いコストを必要とします。設備は年々で劣化するため、定期的な修繕も必要となります。

また、安否確認システムを自社で導入する場合、システムを保守するための人的コストがかかります。万が一災害に遭ったときにオフィスのサーバが故障し、システムの運用を担当している社員が出社できない状態になったとすると、せっかく用意したシステムを利用することができません。

こうした問題に対し、クラウドサービスはその答えを持ち合わせています。クラウドサービス業界は年々競争が激しくなっており、コストの低廉化も進んでいることから、BCP対策として利用しながら、大きなコストダウンを達成することも可能になるでしょう。

拠点以外の場所でも業務を継続できる

クラウドサービスなら、インターネットにつながっていればどこでも仕事ができます。昨今の新型コロナウィルスでもクラウドサービスを利用している企業は比較的簡単に在宅勤務に移行することができました。

クラウドサービスを利用してれば、社外から自社のシステムにログインして業務を行うことも可能になるため、緊急時でもすみやかに業務を再開させることができます。

BCP対策にクラウドサービスを利用するデメリット

BCP対策としてクラウドサービスを利用することには多くのメリットがある一方、いくつかのデメリットも考えられます。

通信手段を確保する必要がある

クラウドサービスではインターネットを利用するため、自社のサーバにアクセスするには通信環境が確保されている必要があります。災害時にネットワークインフラ自体が損害を被ると、自社のデータを参照することができずに業務が再開できません。

回線を1本だけ利用するのではなく、緊急時のために異なる通信事業社のサービスを組み合わせたバックアップ回線も用意しておくなど、常に通信手段を確保する対策はBCP策定の際に考慮すべき事項だと言えるでしょう。

委託先のデータセンターも被災する可能性がある

災害の影響が広範囲に渡る場合、自社だけではなく委託先のデータセンターも被災する可能性が考えられます。自社のオフィスにサーバを置いておくことに比べ、データセンターへの委託ははるかに安全ですが、社外に預けたからといって過信しすぎないことが大切です。

二重バックアップなどのサービスを利用して、サーバのデータを複数のデータセンターに保存するなど、リスク分散を考慮した運用を心掛ける必要があります。

まとめ

日本の大手企業、観光庁でクラウド化が進む中、BCP対策もクラウドサービスの利用を前提とする流れになっていくでしょう。災害に見舞われたときでも業務を安全かつ迅速に再開するという観点において、BCP対策にクラウドサービスを利用するメリットはたくさんあります。

あらゆるリスクが想定される現代では、より強固なBCP対策が必要とされています。その中でクラウドサービスは大きなポイントになる部分であり、クラウドサービスを利用していない企業は早期に検討していくべきだと言えるでしょう。

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