非常時災害対策としての自家消費型太陽光発電。なぜ有効か?

自家消費とビル BCP
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新型コロナウイルスが猛威を振るい、飲食業をはじめ多くの企業が倒産に追い込まれるなか企業の非常時災害対策の確立が叫ばれています。

内閣府の調査によると、過去の災害で重要な業務が停止した理由に「停電」が最も多く上げられており、この結果は企業規模別でも業種別でもおおよそ同様の傾向となっています*。停電対策はもはや企業にとっては必須項目であるといえるでしょう。

*参照:令和元年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査 – 内閣府

災害リスクを考える

停電で重要な業務が停止した場合に起こりうる災害リスクはどのようなものがあるでしょうか。

安全な避難ができない

災害はいつ起きるか誰にも予測できません。

もしも、エレベーターに社員が乗っている時に起きてしまったら?

もしも、日没後、まだ社員が働いているときに起こってしまったら…どうでしょう?

会社の財産である社員を安全に避難させることは一番の優先事項ではないでしょうか。

重要データの損失

IT企業や医療機器を扱う病院などは一瞬たりとも電力を途切れさせることはできません。停電によりPCが強制的にシャットダウンされ、重要な機密データや医療機器の停止で人の命までをも失ってしまう可能性さえもあります。

IT企業・医療機関向けの間髪入れずに電力を移行できる緊急バッテリーはこちらで詳しく解説しています。

商品の冷蔵保存(温度管理)ができない

温度を一定の低い、または高い温度に保たなければならないものを扱っている企業は保存品が売り物にならなくなってしまい、甚大な被害を被る可能性が考えられます。ここでいう保存品は食品だけでなく、薬品や化粧品、機械にも共通します。

工場の生産ラインストップ

災害時、電力はいったん途絶えたとしてもガスや水道に比べ早く復旧する傾向にあります。しかし、工場の生産ラインなどがストップしてしまうと、サプライチェーンに位置する他の企業にまで影響を及ぼしてしまう可能性があり、波及的な被害を及ぼすことが想定されます。

ライフライン維持のための自家消費型太陽光発電

もはや経済活動とは切っても切れない電力。この生命線を最低限維持できるかできないかで災害時の企業の命運がわかれるといっても過言ではないでしょう。

今回は、企業を救う非常時電力供給手段として自家消費型太陽光発電システムについて解説していきます。

自家消費型太陽光発電とは

自家消費型太陽光発電とは、太陽光発電でつくった電力を売電せずに自宅や会社で消費することをいいます。電気代の削減だけでなく、昨今の環境経営やSDGsへの高まりの中で自家消費型太陽光発電を利用する企業は増えつつあります。

FIT制度売電単価の低下

2012年に制定された再エネを助成する法律であるFIT制度(固定価格買取制度)をご存じでしょうか。このFIT制度による売電価格が年々下がってきており、2012年のFIT制度導入時の産業用太陽光の売電価格は「40円/kwh」でしたが、2019年では「14円/kwh」、2020年では「12円/kwh」*1となっています。一方で電力会社の電気料金は、東京電力の低圧電力の料金単価で「夏季17円37銭」、「その他季15円80銭」*2と売電価格より高くなっています。事実を見るに明らかで、今や売電で収入を得るより自家消費することで電気料金を削減する方が効率的な選択となっています。

*1参照:買取価格・期間等|固定価格買取制度|なっとく!再生可能エネルギー – 資源エネルギー庁
*2参照:低圧電力|電気料金プラン – 東京電力エナジーパートナー株式会社

非常時どのように役立つか

太陽光発電を設置していると停電時、通常使っている電力会社の電力から太陽光の自立発電システムに手動で切り替えることが出来ます。

一瞬の停電で止まってしまったエレベーターや冷蔵庫、生産ラインもすぐに元通りに動かすことができ、被害を最小限にするのに非常に有効であるといえます。

なぜ電力の切り替えが生じるか

要因は太陽光発電で発電した電力を直流電力から交流電力に変換するパワーコンディショナーにあります。パワーコンディショナーが太陽光で発電した電力でなく電力会社から購入している電力で動いているため、パワーコンディショナーを動かすための電力を電力会社のものから太陽光発電に切り替える必要があるため、その一瞬だけ電気が途切れてしまいます。

夜中の災害にも対応

太陽光発電は太陽が出てる間しか使えないのでは?とお思いの方、蓄電池を備えればすべて解決です。日中発電した電力を蓄電池にためておくことで夜中の災害にも備えることができ、停電した暗い社内で危険な中避難しなければならないということもなくなります。

蓄電池があれば切り替え無し夜中でも使える

また、常に発電した電気を蓄電池に一度貯めてから使う形にすれば、2~3秒の電力切り替えのリスクを背負うことなく電気を使うことができます。このようにリスクヘッジやBCP対策として、これからは蓄電池とセットで自家消費型太陽光発電が推し進められていくと考えられます。

自家消費型の注意点

業務の100%をカバーできるわけではない

企業の施設の規模や業務に使っている電力によって供給量や必要な電力量が変わってくるため、災害時に業務をカバーできるとは一概にいえません。しかし、最低限度の業務の継続や安全確保は可能であるため、停電時対策には十分であるといえるでしょう。

メンテナンス費用

太陽光パネルは20年間は持つとされていますが、定期的なメンテナンスは行う必要があります。理由としては、太陽光モジュールの発電効率の低下が挙げられます。パネルの不備や発電効率の低下は通常屋根の上に設置することから一見わかりづらく確認もしづらいため、定期点検での故障や経年劣化の早期発見がとても重要になってきます。

経費削減にも非常に有効的

即時償却可能

中小企業経営強化税制*により、自家消費型太陽光発電を設置する中小企業は2020年度末までに申請をすれば太陽光発電設備を全額即時償却することができます。通常は17年かけて減価償却する設備費を即時に経費に出来るこの制度はとても素晴らしいですが、2020年度までとされており、その後の税制変更に注意しておく必要があります。

*参照:中小企業税制〈令和元年度版〉 – 中小企業庁

まとめ

  • 自家消費型太陽光発電は停電時、電力がすぐに太陽光発電による自立運転に切り替えられるため非常時災害対策に最適である
  • FIT価格の低下により自家消費型太陽光発電が年々注目を集めてきている
  • 自家消費+蓄電池を使えば日中から太陽の出ていない夜中まで電力切り替え時の強制シャットダウンのリスクなく利用できる
  • 自家消費形太陽光発電で業務の100%を賄えるわけではないが停電時の対策には十分対応できる設備である
  • 2020年度末まで即時償却による節税対策が可能である

もしも停電が起きてしまった時、事業の持続をお考えのみなさま、BCP対策の根幹として自家消費型太陽光発電による非常時災害対策をご検討してみてはいかがでしょうか?

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