水害にBCPで立ち向かう!被害が深刻化する水害の対策手順を解説

水害 BCP
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大規模な水害の発生をきっかけに、自社の水害対策を見直しませんか?実は多くの企業の事業継続計画(BCP)は地震を対象にしたものが中心で、水害の対策は重視されていないケースが多くあります。

しかし、近年の水害は深刻化しており、水害用のBCPの重要性が増しているのが実情です。そこで今回は水害用のBCPが重要である背景や作成手順などを詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。

水害用BCPの重要性

水害用のBCPが重要となる理由はシンプルで、水害の発生頻度と被害の規模が大きくなっているためです。実際、平成30年7月豪雨(西日本大豪雨)ではパナソニックやマツダ、三菱重工などの工場で大規模な被害が発生しています。また、平成30年7月豪雨以外にも以下のような水害が多発しています。

  • 平成26年8月豪雨
  • 令和元年の台風19号、台風21号
  • 令和2年7月豪雨

いずれの水害でも企業への被害は深刻で、工場やオフィス、授業員の住宅や交通手段、インフラの停止などが発生しました。2018年に気象庁は以下の報告をしており、このような水害は今後も発生すると考えられます。

長期的には極端な大雨の強さが増大する傾向がみられている。今回の大雨にも、地球温暖化に伴う水蒸気量の増加の寄与があったと考えられる*

*出典:気象庁 「平成 30 年 7 月豪雨」及び 7 月中旬以降の記録的な高温の特徴と要因について

日本がこのような状況にある以上、水害への対策を行い、自社の業務停止や廃業等のリスクを避けなければなりません。実際に製造業などでは、水害から数ヶ月かけて設備等を復旧させても、取引先を他社に切り替えられたままのケースが多々あります。

したがって、少なくとも重要顧客の納品分だけでも事業継続ができる体制づくりや、可能な限り動ける従業員を確保するBCPが重要です。

水害用BCPの作成手順を6ステップで解説

水害用のBCPの作成手順を以下6ステップで解説していきます。

  1. 浸水・洪水ハザードの確認と被害の想定
  2. 水害用BCP作成に必要な3つの事前知識
  3. 優先する業務の選定
  4. 優先する業務のボトルネックの特定
  5. 水害用BCPの発動・収束基準の決定
  6. BCM・BCMSの実施による水害用BCPの維持と改善

各ステップの詳細を理解、実施することで水害用BCPの完成と維持ができます。次章で詳しく解説していきます。

ステップ①浸水・洪水ハザードの確認と被害の想定

各自治体の公式HPや国土交通省のHPで浸水や洪水のハザードマップが公開されているので、まずは自社の属する自治体を確認しましょう。浸水した場合の水の深さや水が引くまでの時間等がある程度わかります。参考までに、国土交通省が公開しているハザードマップのリンクを以下に記載します。

ハザードマップポータルサイト
国土交通省が運営する、「ハザードマップポータルサイト」です。身の回りでどんな災害が起こりうるのか、調べることができます。

ステップ②水害用BCP作成に必要な3つの事前知識

確実に役立つ水害用BCPを作成するために、3つの水害に関する知識を得ておきましょう。

  1. 水害が企業に与える被害の特徴
  2. サプライチェーンが断たれた際の対策
  3. 電力が足りない際の対策

それぞれを簡単に解説していきます。

水害が企業に与える被害の特徴

水害は天気予報である程度の予測ができ、事前対策で被害を軽減することができますが、電源設備を失ったり泥の処理に時間がかかったりと、地震等の災害よりも復旧に時間がかかる傾向があります。

床上浸水対策や保険への加入をBCPとして実施しつつ、水害が予想される時は従業員への指示を速やかに行うことが重要です。

サプライチェーンが断たれた際の対策

水害は道路や鉄道に与える影響も大きく、自社に直接被害がなくてもサプライチェーンが断たれる恐れがあります。自社はBCPのおかげで事業を継続できる状態にあっても、仕入先の供給が止まってしまえば、結果として自社の事業も影響を受けてしまうのです。

水害が広範囲に及ぶ傾向も強まっているため、資材や部品の調達先を分散させるといった対策も効果的です。度重なる水害で各企業の仕入先評価基準も変わってきているので、水害対策に取り組んでいることをアピールできれば、顧客の拡大にもつながるでしょう。

電力が足りない際の対策

水害は広範囲に停電をもたらす場合もあります。自社に非常用電源を備えている企業は多いと思いますが、基本的に非常用電源だけでは十分な事業継続はできません。

したがって、あらかじめ必要な電気容量を計算して割りふりを決めておいたり、蓄電池や電気自動車などを非常用電源として確保するといった備えが重要です。

ステップ③優先する業務の選定

事業への影響度を検討し、優先的に復旧する業務を選定します。水害のさなかにあっても中断できない最重要顧客関連の受発注や、社員への給与払いなどが最優先といえるでしょう。水害による機材の移動や排水などの緊急対応すべき業務があることも考慮し、現実的に自社ができる業務範囲に絞るのが重要です。

ステップ④優先する業務のボトルネックを特定

優先的に復旧する業務を細分化し、復旧に向けてボトルネックとなる要素を特定します。具体的には、中断できない業務を中断するきっかけとなる「ヒト・モノ・コト・情報」を特定しましょう。現状のリソースで対応が難しい場合は、将来的に準備すべきこととしてBCPに記載します。

ステップ⑤水害用BCPの発動・収束基準の決定

水害用のBCPの発動基準と収束基準を決定します。要するに、どのくらいの被害でBCPを発動し、どのような状況で平常時の業務に戻るかということです。通常業務を止めたり遂行したりする基準となるので、なるべく具体的に定めて全社員に共有しましょう。

ステップ⑥BCM・BCMSの実施による水害用BCPの維持と改善

水害用に限らず、BCPは定期的に改善と維持の取り組みをおこなわないと陳腐化してしまいます。BCPを作成したら終わりではなく、BCMやBCMSに取り組むことが重要です。BCMやBCMSについては以下の記事が参考になります。

まとめ:水害用BCPで自社を存続!

水害用のBCPが必要な理由や作成手順などを解説してきましたが、理解は深まったでしょうか?

企業ごとに所有している機材や従業員の人数が異なる以上、自社にとって最適なBCPは自社できちんと考えて作成しなければなりません。今回解説した情報を活かして、非常時に役立つBCPにしましょう。

一方で、BCPを作成しているとなにかと不明点が出てくるのも事実です。BCP作成の専門家のアドバイスを聞くなどして、効率よくBCP作成やBCMに取り組むのがおすすめです。

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