大地震用のBCPは必須!自社を倒産させないBCPの作り方を紹介

bcp,office BCP
この記事は約7分で読めます。

いつかは起こる大地震による倒産リスクを考えてBCPを作ろうとするものの、具体的な作成方法が分からずに悩んでいませんか?

実は、東日本大震災などの経験を生かして大地震用のBCPの作成方法は確立されています。そこで今回、周囲をまきこんでBCP(事業継続計画)を作成していけるように、BCPが必要な理由と作成方法を解説していきます。

大地震のBCPが必要なただ1つの理由

大地震を対象としたBCPが必要な理由は、震災で倒産する企業が多く、今後も大地震は定期的に起こり得るためです。たとえば東日本大震災の場合、2011年から2019年までに倒産した企業数は2021件となっています*。注目すべきは、直接震災の被害を受けた企業の倒産は11.5%だったのに対し、取引先や仕入れ先の被災で倒産した企業は88.4%にのぼることです。

また、下図のとおり大地震の影響を全く受けない業界というものはありません。

風評被害による観光客の減少で倒産数が増えた観光業界や、仕入れルートを変更せざるを得なかった負担で倒産する企業がでた生鮮魚介業界など、倒産の理由は多岐にわたります。単純に従業員の命や機械類などを守るだけでなく、仕入れ先や主要な取引先が機能不全に陥った場合の対策が必要というわけです。

そして、日本気象協会のデータによると、東日本大震災以降から2020年12月までに震度6強以上の地震は9回発生しています*。平均すると、毎年大震災が起きている計算です。したがって、国内でビジネスを行う企業であれば大地震を対象にしたBCPの作成と保守は必須といえます。

*参照:日本気象協会 過去の地震情報 深度6以上

大地震用BCPの作成方法9ステップを紹介

大地震のBCPの必要性が明らかとなったところで、大地震がきても自社を存続できるBCPの作成方法9ステップを知っておきましょう。

  1. 自社の現状把握
  2. 基本方針の決定
  3. BCP本部の体制構築
  4. 重要業務を可視化して優先順位を決定
  5. 復旧目標の作製と達成に必要な経営資源の算出
  6. 必要な点の事前対策・準備
  7. 復旧が難しい場合に備えた代替戦略の作成
  8. 避難訓練などの教育の実施
  9. BCM・BCMSの実施

各ステップの詳細を解説していきます。

ステップ①自社の現状把握

最初にやるべきことは、自社の現状を正確に認識することです。業界内での自社の立ち位置や事業の全体像、そして、そもそもBCPと呼べるものが自社内にあるかなどを明確にしましょう。先述のとおり、仕入れ先や販路、評判といった影響で倒産するケースも大いにあるので注意しましょう。

また、各市町村などで公開されているハザードマップも確認して、自社地域の地震頻度や水害のリスクを知っておきましょう。そして、震度と想定される建物被害を知った上で事前に対策をとっておくのが重要です。気象庁によると、鉄筋コンクリートの建物でも震度6強ともなれば、壁やはりのひび割れのリスクがあるとのことです。詳細は下図をご覧ください。

ステップ②基本方針の決定

BCPの根幹となる基本方針を決定しましょう。要素は以下の3つが基本で、従業員の命の確保を最優先とするのが一般的です。

  • 従業員の命の確保
  • 自社の業務・生産復旧
  • 被災地域の復旧

自社業務・生産と被災地域の復旧の優先順位は、被災地との距離や自社ができることに応じて決めると良いでしょう。

ステップ③BCP本部の体制構築

BCPは、基本的に経営トップ層自らが参加して推進することになります。BCPの取り組みは多くの部署をまきこんで行うため、部下に丸投げしても、平常時から積極的に取り組むことは難しいでしょう。

したがって、経営トップ層が具体的に何をするかを決めたうえで、BCPを進めていくのに必須のメンバーを選定し、いつまでに何をするかといった目標を明確にするといった行動が必要です。なお、BCPやBCM(事業継続マネジメント)の専門家もいるので、外部の人材に協力を求めるのも良いでしょう。

ステップ④重要業務を可視化して優先順位を決定

自社を存続するために全業務をあらためて可視化し、復旧の優先順位を決めます。たとえば自社の利益の大半をしめているような業務や、主要な取引先と関連性のある業務は最優先で復旧すべきです。また、ブランディングや社会的な影響が大きい業務なども早めに復旧したいところです。

重要なのは、並列してすべての復旧に取り組もうとしないことです。法的な責務や独自の技術などがなく、利益やシェアも小さい分野の業務は優先順位を下げましょう。

ステップ⑤復旧目標の作製と達成に必要な経営資源の算出

先に決めた優先順位の高い業務を被災後も継続するにあたり、復旧しておくべきタイミングの目標を立てます。そして、目標どおりに復旧するための手順や経営資源を「ステップ①自社の現状把握」で調べた想定被害から割り出しましょう。復旧に時間がかかると顧客に取引先を切り替えられるリスクもでてくるので、優先順位の高い業務を早々に復旧できるよう、余裕を持った経営資源を割り振ってください。

ステップ⑥必要な点の事前対策・準備

復旧への経営資源を割り振ると、被害の軽減や代替手段があればといった希望や補強点が見つかるはずです。そこで、ヒト・モノ・カネといった経営資源に事前にできる対策を列挙し、実施していきましょう。被災の影響をより小さくできるに越したことはありません。

ステップ⑦復旧が難しい場合に備えた代替戦略の作成

大地震は広域かつ大規模な被害をもたらします。入念にBCPを作成していても、時には設備や機器の修理、調達が想定以上に遅れる可能性があります。そこで、代替可能な拠点や設備による業務再開の戦略を立てておくと効果的です。具体的には、以下4つの要素を代替資源として確保しておくと良いでしょう。

  • 拠点として機能する場所と設備
  • 被災時に上記で稼働できる場所にいる従業員
  • 通信の手段や電気、ガスなど
  • 復旧作業と業務を同時にできる予算

上記に加えて、自社で必要だと思われるものがあれば過不足なく準備しておく必要があります。たとえば生産の情報や顧客データが代表的です。

ステップ⑧避難訓練などの教育の実施

避難訓練といった従業員への教育も重要になります。入念にBCPを作成していくのは重要ですが、ただBCPがあるだけでは実際に大地震が起きた時にスムーズに実行できないからです。したがって、少なくとも以下3つの訓練や研修を1年に1回はすべきでしょう。

  • 避難訓練
  • 安否確認とその連絡の訓練
  • BCPの存在周知と内容の確認

ステップ⑨BCM・BCMSの実施

BCPは一度作れば終わりというわけではなく、保守や点検に該当する活動であるBCM(事業継続マネジメント)とBCMS(事業継続マネジメントシステム)が重要です。作ったばかりのBCPは完全とはいえませんし、すでに実績のあるBCPでも時間とともに陳腐化する恐れもあります。実際、ビジネスモデルや使っている技術などは時間とともに変化しているはずです。したがって、定期的にPDCAを回してBCMやBCMSを行うようにしましょう。

なお、BCMとBCMSについて詳しくは以下の記事が参考になります。

まとめ:大地震がきても自社を存続させるためにBCPを!

大地震用のBCPをきちんと用意しておく重要性や作成ステップを解説しましたが、参考になったでしょうか。南海トラフ巨大地震は30年以内に70%から80%の確率で、北海道の根室沖の巨大地震も80%程度の確率で起こるとされています。

東日本大震災の発生時には未曾有の被害という表現が多用されましたが、いずれは同規模かそれ以上の大地震が発生するのです。ぜひ大地震用のBCPの作成で被災を最小限に抑え、自社が存続していけるような準備をしておいてください。

また、大地震用に備えた非常用電源の確保として、太陽光発電設備や蓄電池を導入する企業も増えています。これらの設備は中小企業強靭化法の対象にもなっているので、合わせて検討してみてはいかがでしょうか。

【太陽光発電設備】
非常時災害対策としての自家消費型太陽光発電。なぜ有効か?
非常用電源とは?自家消費型太陽光発電を使ったBCP対策


【蓄電池】
非常時対策としての蓄電池?なぜ蓄電池が注目されているか?

【中小企業強靭化法】
【保存版】中小企業強靭化法とは?メリットと申請ステップを解説!
事業継続力強化計画の認定制度とは?自社存続に中小企業強靭化法を活用!



補助金セミナー

タイトルとURLをコピーしました